「ジョグって型式が多すぎて、どれがどの年代なのか全然分からない」。
バイク歴20年の自分でも、ジョグの系譜を整理するには少し時間がかかりました。
1983年の初代から数えると、2スト・4スト・電動・新基準原付まで含めれば10を超えるモデルが存在します。
この記事では、歴代ジョグを年式・型式つきで時系列に整理したうえで、「手元のジョグが何年式か分からない」「中古でどの型式を選べばいいか迷っている」という疑問に、順番に答えていきます。
忖度なしで正直に書きます。
この記事を読むとわかること
- 1983年〜2026年の歴代ジョグ全モデルを型式・スペックつきで一覧
- 手元のジョグの年式・型式を自分で調べる3つの確実な方法
- 2ストと4ストの走りの違いと、向いているライダーの違い
- 結局、中古でどの型式を選ぶのが正解かの判断基準
【歴代年表】ヤマハ ジョグ 全モデル比較表
まず全体像を把握してください。年代別に整理すると、ジョグの流れがすっと頭に入ります。
| 年式 | 型式 | エンジン |
|---|---|---|
| 1983年 | 初代ジョグ(CE50E/27V) | 2スト 50cc |
| 1986年 | ジョグ2(2YJ) | 2スト 50cc |
| 1989年 | ジョグ(3KJ)/ジョグスポーツ | 2スト 50cc |
| 1991年 | スーパーJOG Z(3YK) | 2スト 50cc |
| 1994年 | スーパーJOG ZR(3YK) | 2スト 50cc |
| 1993年 | JOGアプリオ(4JP) | 2スト 50cc |
| 2001年 | リモコンJOG(SA16J) | 2スト 50cc |
| 2007年 | JOG(SA36J) | 4スト 50cc |
| 2015年 | JOG/JOGデラックス(SA55J/SA56J) | 4スト 50cc |
| 2017年 | JOG(SA57J/SA58J) | 4スト 50cc |
| 2018年〜 | JOG(ホンダOEM) | 4スト 50cc |
| 2025年12月 | JOG E(ZAD-EY01) | 電動モーター |
| 2026年3月 | JOG ONE | 4スト 124cc(新基準原付) |
続いて、型式別のスペック・外見の特徴・中古相場をまとめた比較表です。
「どの年式を選ぶか」の判断材料として使ってください。
| 型式 | 最高出力 | 中古相場目安 |
|---|---|---|
| 27V(初代) | 4.5ps→5.3ps | 3〜15万円(コレクター需要あり) |
| 3YK(スーパーJOG Z・スーパーJOG ZR共通フレーム型式) | 7.2ps(※規制前モデルのみ) | 5〜20万円(状態差が大きい) |
| SA16J(リモコンJOG) | 6.5ps | 5〜15万円 |
| SA36J(4スト初期) | 4.2ps | 3〜10万円 |
| SA55J/SA56J | 4.5ps | 5〜15万円 |
| SA57J/SA58J | 4.5ps | 6〜18万円(ヤマハ自社製最終) |
50cc版ジョグは2025年11月施行の第4次排ガス規制により全モデル生産終了。
新車在庫があっても、それはすでに製造が終わった車両です。
2スト時代のジョグ|加速の記憶、全記録
ジョグという名前を原付スクーターの代名詞にしたのは、間違いなく2ストローク時代です。
年代ごとに代表モデルを見ていきましょう。
初代ジョグ(27V)|すべての原点
出典:Bikebros.
1983年3月、ヤマハは原付スクーターの常識をひっくり返す一台を送り出しました。
初代ジョグ(型式:CE50E、フレーム型式:27V)です。
乾燥重量49kg、最高出力4.5ps。当時の原付としては群を抜く軽さとパワーで、スポーティなフロントカウルと新車価格99,000円という手の届きやすさが重なり、発売から1年半で累計30万台を突破しています。
「原付は遅い・ダサい」というイメージを一気に塗り替えた、ジョグ40年史の出発点です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式 | CE50E(フレーム:27V) |
| 発売年 | 1983年3月 |
| エンジン | 2スト単気筒 49cc |
| 最高出力 | 4.5ps(後期:5.3ps) |
| 乾燥重量 | 49kg |
| 新車価格(当時) | 99,000円 |
中古市場では今も人気があり、程度の良い個体には相応の値がつきます。
ただし40年以上前のモデルのため、部品供給は厳しい状況です。
「乗るため」よりも「飾るため」に入手するコレクター的な需要も少なくありません。
スーパーJOG Z/ZR|青い稲妻の全盛期
出典:BikeBros.
実は、「スーパーJOG Z」と「スーパーJOG ZR」は別物です。ここを混同しているケースが多いので、整理しておきます。(上記画像はスーパーJOG ZR 1996年モデルです)
1991年に登場した3YK型(エンジン型式:3KJ)がスーパーJOG Z。
1994年にさらに進化した3YK型がスーパーJOG ZRです。
規制前モデルの最高出力は7.2ps。当時の原付規制ギリギリのパワーを、当時の10代〜20代は競うように乗り回していました。
なお1998年以降の規制後モデルは出力が段階的に引き下げられています。
鮮やかなブルーとホワイトのカラーリング、スポーツサスペンション。
「青い稲妻」という異名はこの見た目とパワーから生まれています。
90年代の原付スクーターブームを象徴する一台で、中古市場では今もコアなファンが探し続けています。
| 型式 | 発売年 | 最高出力 |
|---|---|---|
| 3YK(スーパーJOG Z) | 1991年 | 7ps→7.2ps(規制前) |
| 3YK(スーパーJOG ZR) | 1994年 | 7.2ps(規制前) |
注意点として、このクラスの2スト車はパワーアップ改造の履歴がある個体が多く出回っています。
中古で選ぶなら、エンジンと排気系の状態確認は必須です。
リモコンJOG(SA16J)|2スト最後の完成形
出典:Bikebros.
欠点を語った後はポジティブな話をするのがバイク乗りの礼儀ですよね。
2スト時代の締めくくりは、SA16J「リモコンJOG」です。
2001年登場で、2ストエンジンを持つジョグとしては最終世代にあたります。
名前の通り、リモコンキーによるエンジン始動と盗難抑止アラームを標準装備。
当時の原付盗難件数が社会問題になっていた時代背景を考えると、この機能追加は実用性という点でユーザーに刺さりました。
2スト特有の爽快な加速と、実用的なセキュリティを両立した「2スト世代の集大成」モデルです。
💡 SA16Jを中古で狙う前に知っておくこと
SA16Jは「2スト最後に乗っておきたい」という人が今も探し続けているモデルです。
ただ発売から20年以上が経過しているため、空冷2ストエンジン特有の経年劣化には要注意です。
キャブレターの詰まり、燃料系統の劣化、パワーリードバルブのへたりが出やすい傾向があります。
冷間始動の不調が出ている個体は、まずキャブのオーバーホールを疑ってください。
4スト時代のジョグ|燃費・静粛性の進化記録
2ストの記録を確認したところで、次は大きな転換点です。
排ガス規制の強化により、ジョグは4ストロークへと舵を切ります。
JOG SA36J|4スト化元年
出典:Bikebros.
2007年10月、ジョグはついに4ストロークエンジンに移行しました。型式はSA36J。
正直に言うと、2ストのあの爽快な加速感は4ストでは出ません。
「加速感が鈍くなった」という声は当時も今も正直な感想です。
ただ、燃費は大幅に改善されました。2スト時代の40〜50km/Lに対して、SA36Jは66.0km/L(国交省届出値)を達成しています。
「走りの楽しさ」より「経済的に使える足」へ——この世代交代が、このモデルから本格的に始まりました。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式 | SA36J |
| 発売年 | 2007年10月 |
| エンジン | 水冷4スト単気筒 49cc |
| 最高出力 | 4.2ps |
| 燃費(カタログ値) | 66.0km/L |
JOGデラックス SA56J|燃費の頂点へ
出典:Bikebros.
SA36Jで4スト化が完成したところで、2015年登場のSA55J(JOG)とSA56J(JOGデラックス)はさらに一歩踏み込みました。
最大のトピックは「アイドリングストップシステム」の搭載です。
信号待ちでエンジンが自動停止し、アクセルを開けると再始動する仕組みです。
街乗り中心の原付では信号での停車頻度が高いため、この機能は燃費改善に直接効きます。
SA56J(デラックス)は燃費69.7km/L(国交省届出値・30km/h走行時)を達成。
当時の国産50ccスクーターの中でもトップクラスの省エネ性能でした。
ホンダOEMモデル|2018年以降の正体
出典:Bikebros.
ここで意外な話をします。2018年以降に販売されたジョグは、ヤマハが自社で製造していません。
ホンダからのOEM供給を受けた車両で、ヤマハのエンブレムとカラーリングを施して販売されていました。
エンジンやフレームはホンダ由来です。
走りの味はヤマハ自社製と若干異なりますが、ホンダの4スト原付エンジンは信頼性が高く、壊れにくい傾向にあります。
部品の供給体制もまだ安定しています。
「ヤマハのジョグが欲しい」という気持ちは分かりますが、2018年以降の個体はメカニズム的にはホンダ製という点を、中古購入時に頭に入れておきましょう。
💡 SA57J・SA58Jがヤマハ自社製の最終モデル
2017年に販売されたSA57J(JOG)・SA58J(JOGデラックス)が、ヤマハ系列製造の最終モデルにあたります(台湾ヤマハ製)。
翌2018年のAY01からホンダ・タクト(AF79)ベースのOEM供給に切り替わるため、「ヤマハ系製造のジョグ」を探しているなら、この型式が条件になります。
ジョグの現在|JOG ONE・JOG Eへの進化
50cc版ジョグの生産終了で一つの時代が終わりました。
ただ「ジョグ」というブランドはここで消えるのではなく、新しい形で続いています。
JOG ONE|124ccで原付免許OK
出典:BikeBros.
2026年3月19日、ヤマハは「JOG ONE」を発売しました。
JOG125をベースに124ccエンジンの出力を3.5kW(4.8ps)に制限した「新基準原付」として、原付免許・普通自動車免許で乗れるスクーターです。価格は259,600円(税込)。
従来の50ccジョグとは異なる車格になりますが、「原付免許で乗れる、街に溶け込むスクーター」というジョグ本来のコンセプトはしっかり引き継いでいます。
50ccが生産終了した今、新車でジョグ系に乗りたいなら現実的な選択肢はJOG ONEになります。
詳細スペック・価格はヤマハ発動機公式サイトで確認してください。
JOG E|電動モーターで新時代へ
出典:BikeBros.
2025年12月22日、ヤマハは電動原付「JOG E」を東京・大阪地域限定で先行発売しました。
型式はZAD-EY01。価格は159,500円(税込)。
ホンダのEM1 e:をベースに製造されたOEMモデルで、バッテリーはホンダのHonda Mobile Power Pack e:(交換式)を採用しています。
航続距離は53km程度(30km/h定地走行時)とされており、東京・大阪限定での先行発売となりました。
「2スト→4スト→電動」という流れで見ると、ジョグの進化の必然を感じます。
歴代ジョグが一貫して持ってきた「誰でも乗れる、街に溶け込むスクーター」のDNAは、電動とサイズアップという形でしっかり受け継がれています。
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ジョグの年式・型式を見分ける3つの方法
歴代モデルの全体像を把握したところで、次は実用的な話です。
「手元のジョグが何年式か分からない」という場面で役立つ確認方法を3つ紹介します。
ヤマハ公式ツールで一発確認
実は一番手っ取り早い方法があります。
ヤマハ発動機の部品情報検索ページで車台番号を入力するだけで、モデル年度と販売開始年月を確認できます。
フレームナンバーさえ手元にあれば、知識がなくても年式を調べられるので、まずここから試してみてください。
中古購入前にこのツールを使えば、売り主の申告と実際の年式が一致しているかの確認もできます。
フレームナンバーで直接確認
ヤマハ公式ツールの入力に必要なフレームナンバーは、ステアリングヘッド下部(ハンドル中心の真下)か、フロアボード下のフレームに刻印されています。
番号の冒頭が型式を示しており、「SA16J-XXXXXX」のように「型式-製造番号」の構成です。
| 型式の冒頭 | 世代・エンジン |
|---|---|
| 27V / 3KJ / 3YK 系 | 2スト各世代 |
| SA16J | 2スト最終世代(リモコンJOG) |
| SA36J / SA39J | 4スト初期 |
| SA55J / SA56J | 4スト(アイドリングストップ世代) |
| SA57J / SA58J | ヤマハ自社製最終 |
刻印が薄くなっていたり、削られていたりする個体は要注意です。
中古購入前には必ず現車で確認しましょう。
シート下のコーションラベルを読む
シートを開けると、内側のフレーム部分に「車両コーションラベル」と呼ばれるシールが貼られています。
型式・認定番号・製造年月が記載されており、フレームナンバーと合わせて確認すると信頼度が上がります。
ラベルが剥がれていたり、上から別のシールを貼り直した痕跡がある場合は、年式偽装の可能性もゼロではありません。
スマートフォンで写真を撮っておき、販売店に確認するのが賢いやり方です。
パーツを発注するときは、このラベルに書かれた情報を必ず伝えると適合ミスを防げます。
外装・装備から年式を推測する(補助)
ある程度の知識があれば、外見だけでも「だいたいこの年代だな」と絞り込めます。
ただしあくまで補助的な判断材料です。正確な確認はフレームナンバーかヤマハ公式ツールで行ってください。
| 装備・外見の特徴 | 年式の目安 |
|---|---|
| リモコンキーがある | 2001年以降(SA16J世代) |
| アイドリングストップボタンがある | 2015年以降(SA55J/56J世代) |
| デジタルメーター採用 | SA57J/SA58J以降 |
| エンジン音が静か・振動が少ない | 4スト世代(2007年以降) |
メーターパネルのデザインも世代ごとに変わるため、知っている人が見ると一目で時代が分かります。
結局、中古でどの型式を選ぶのが正解?
型式と年式が分かったところで、実際に中古で選ぶときの判断基準を整理します。
2ストか4ストかで、選ぶべき人の像がはっきり変わります。
走りを楽しみたいなら2スト
「あの加速感をもう一度」という人、ノスタルジックな旧車の雰囲気が好きな人、カスタムを楽しみたい人には2スト一択です。
ただし、現実として2スト車のコンディション維持は4ストより手間がかかります。
エンジンオイルの消費、プラグのくすぶり、キャブレターの経年劣化——これらは普通のことで、2スト車には付きものです。
「多少の整備を楽しめる余裕がある人」向けの選択肢と考えてください。
特にJOG ZR(3YK)を狙う場合は改造履歴のある個体が多いため、エンジン・マフラー・CDIをノーマルに戻してあるか必ず確認してください。
毎日の足にするなら4スト
通勤・通学で毎日使う、とにかくトラブルなく乗りたいという人には4スト一択です。
燃費・静粛性・維持のしやすさ、すべての面で4スト世代が優れています。
特にSA36J以降の水冷4スト世代はエンジン耐久性という点でも信頼性が高く、OEM化後の車両はホンダの原付エンジンをベースにしているため、部品の供給体制も安定しています。
バイク歴20年の経験から正直に言うと、「初めての原付」には4スト世代のジョグが最もトラブルが少なくて扱いやすいです。
「ヤマハ製にこだわる」なら2017年のSA57J・SA58Jが最後の選択肢です。程度の良い個体を見つけたら、価値があります。
共通の購入前チェックリスト
2スト・4ストを問わず、中古のジョグを購入する前に確認すべき項目があります。
これを怠ると「買ってすぐに修理費がかかった」という事態になりがちです。
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| エンジン始動性 | 一発始動するか、異音・白煙はないか |
| 走行距離 | 5,000km以下が理想。1万km超は要整備覚悟 |
| フレーム・足回り | 錆・亀裂・曲がりがないか |
| タイヤ | ひび割れ・摩耗の程度を確認 |
| 電装系 | ウインカー・ブレーキランプの動作確認 |
| フレームナンバー | 刻印が消えていないか(改ざんチェック) |
保証付きの中古車、または信頼できるバイクショップからの購入が、結果的に一番コスパが良い選択です。
💡 盗難リスクには必ず備えてください
原付スクーターは盗難被害が多い車種です。
中古で購入したらすぐに追加のロックを用意することを強くおすすめします。
バイク盗難保険・ロードサービスの加入も合わせて検討してみてください。
ZuttoRide Club(盗難保険・ロードサービス)は月額から加入できるため、原付にも使いやすい選択肢のひとつです。
🔐 盗まれたバイクの5台に4台は戻ってきません(検挙率約20%)
ZuttoRide Clubは4大メーカー公式パートナーの盗難保険。最大300万円まで補償され、年間4,400円から加入できます。ロックをいくら強化しても「盗まれた後」は保険しか守れません。
1分で保険料を確認する(無料) →※確認後すぐに加入しなくてもOKです。
よくある質問
2ストと4ストはどちらがいい?
「走りの楽しさ・加速感」なら2スト、「燃費・静粛性・維持しやすさ」なら4ストです。
毎日の通勤メインなら4スト、趣味でバイクを楽しみたいなら2ストを選ぶと後悔が少ないでしょう。
型式が分からない中古車はどう確認する?
まずヤマハ公式の部品情報検索ページで車台番号を入力してください。
それでも確認できない場合はシート下のコーションラベルを確認します。
どちらも確認できない個体は、購入を慎重に検討した方がいいです。
ジョグはもう新車で買えない?
50ccのジョグは2025年11月の排ガス規制により生産終了しています。
新車でジョグ系に乗りたいなら、JOG ONE(新基準原付・124cc出力制限)が現実的な選択肢です。
ヤマハ製と思って買ったらホンダ製だった?
2018年以降のジョグはホンダからのOEM供給です。エンジン・フレームはホンダ製になります。
「純粋なヤマハ製」を求めるなら、SA57J・SA58J(2017年)以前の型式を選んでください。

































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