NS-1の最高速は、フルノーマルなら約60km/h前後、リミッターカット後は90km/h前後がひとつの目安です。
一方で「82km/h」「100km/h超」という数字も間違いとは限らず、82km/hはHonda公式諸元から計算できる6速10,000rpm時の理論車速、100km/h超はスプロケットやチャンバーなど追加カスタムを含む車両で見られる速度域です。
つまり、NS-1の最高速は数字だけを見るのではなく、「どこまで手を入れた車両なのか」をセットで考えると分かりやすくなります。
この記事では、60・82・90・100km/h超という数字の違いを整理し、リミッターカット用CDIの前期・後期適合、スプロケット変更時の理論車速、ボアアップまで順番に解説します。
この記事を読むとわかること
- NS-1の最高速が60・82・90km/hと分かれる理由
- リミッターカット後に100km/h出る条件
- 前期・後期で異なるCDIの選び方
- スプロケット・チャンバー・ボアアップで変わること
NS-1の最高速は何km/h?状態別の目安
最初に結論を整理すると、NS-1の最高速は「純正状態」「理論車速」「リミッターカット後」「追加カスタム後」で数字が変わります。
| NS-1の状態 | 速度の目安 | 数字の意味 |
|---|---|---|
| フルノーマル | 約60km/h前後 | 純正の速度抑制が働く目安 |
| 6速・10,000rpm | 約82km/h | Honda公式諸元からの理論車速 |
| リミッターカット | 約90km/h前後 | 車両状態で前後する実用的な目安 |
| 追加カスタム車 | 100km/h超の例あり | 吸排気・ギア比などの条件次第 |
ここで大切なのは、約82km/hを「フルノーマルNS-1の実測最高速」と読み替えないことです。

フルノーマルのNS-1は約60km/h前後が目安
純正状態のNS-1は、約60km/h付近で速度抑制が働くため、エンジンに余力があってもそのまま高いギアで速度を伸ばし続ける仕様ではありません。
HondaはNS-1の公称最高速度を発表していませんが、当時の50ccスポーツでは60km/h付近の速度抑制が前提となっており、NS-1でも社外CDIは「リミッターを排除する」パーツとして販売されています。
そのため「ノーマルなら何キロ出る?」への実用的な答えは、まず約60km/h前後と考えるのが分かりやすいです。
Honda公式諸元から計算すると10,000rpmで約82km/h
Honda公式の1991年NS-1主要諸元では、最高出力は7.2PS/10,000rpm、6速は1.130、一次減速比4.117、二次減速比2.928、後輪は100/80-17です。
この数値とタイヤの規格寸法から単純計算すると、6速10,000rpm時の車速は約81.9km/h、四捨五入して約82km/hになります。
ただし、これはタイヤの実外径、スリップ、空気抵抗、エンジンが実際にその回転数まで6速で回り切れるかを無視した理論値です。
「60km/h」と「82km/h」はどちらかが間違いなのではなく、60km/hは純正状態での速度抑制の目安、82km/hはギア比から計算した理論車速です。
NS-1はリミッターカットで何km/h出る?
NS-1をリミッターカットした場合は、90km/h前後をひとつの目安にすると現実的です。
30年以上前の車両なので、圧縮状態、キャブセッティング、チェーンやスプロケットの摩耗、タイヤサイズ、ライダーの体重などで実際の最高速は変わります。
それでも「80km/hなのか100km/hなのか分からない」とぼかすより、ノーマルエンジンでCDIによる速度抑制を外した状態なら90km/h前後を基準に考える方が参考になります。
CDI交換だけなら90km/h前後がひとつの目安
NS-1では、リミッターカットのみで90km/hを超えたというオーナー例が複数あります。
一方で、同じNS-1でもエンジンの状態が悪ければそこまで伸びないことがありますし、メーター誤差もあるため「CDIを交換すれば必ず90km/h」と保証できる数字ではありません。
記事内では、リミッターカット後=おおむね90km/h前後という目安で統一します。
一般的な50cc原付のリミッター解除については、50cc原付リミッター解除のやり方と型式確認で別に整理しています。
100km/h超はスプロケットや吸排気まで分けて考える
100km/hを超えるNS-1が存在しないわけではありません。
実際には、CDI+スプロケットで105km/h前後、CDI・チャンバー・吸気や燃調まで組み合わせた車両で110km/h前後というオーナー例もあります。
だからこそ、旧記事のように「CDI交換だけで90〜105km/h」とひとまとめにするより、90km/h前後はリミッターカット、100km/h超は追加カスタムも含む速度域と分ける方が実態に近いです。
なお、ここで扱っている最高速は車両性能の話であり、公道でその速度を出してよいという意味ではありません。
NS-1のリミッターカット|CDIは前期・後期で確認
NS-1のリミッターカットで最も重要なのは、社外CDIを買う前に年式と現車の電装を確認することです。
Hondaは1995年型で点火方式を変更しているため、NS-1は1994年以前と1995年以降を同じCDIで考えられません。
| 年式 | Honda公表の点火方式 | CF POSHの対応品番 |
|---|---|---|
| 〜1994年 | CDI式マグネット点火 | 230065 |
| 1995〜1998年 | CDI式バッテリー点火 | 231064 |
Hondaの1995年型ニュースリリースでも、点火方式が「CDI式バッテリー点火」に変更されたことを確認できます。
1994年以前はCF POSH 230065が対応
1994年以前のNS-1向けとして現在流通している代表例が、CF POSHのスーパーバトルC.D.I. 230065です。
販売情報では「〜’94 NS-1」対応として扱われ、カプラー差し替えタイプとして流通しています。
1995〜1998年はCF POSH 231064が対応
1995〜1998年型には、バッテリー点火用のCF POSH 231064が対応品として流通しています。
前期用より販売価格が高いことがありますが、価格だけで前期用を流用せず、年式とコネクターを優先してください。
NS-1のCDI交換は年式だけでなく現車も確認する
NS-1は最終モデルでも約30年前の車両なので、中古車ではハーネスやCDIが過去に交換されている可能性があります。
購入前は年式だけで決めず、現在付いているCDI、カプラー形状、配線の加工歴まで確認してから適合品を選ぶのが確実です。
交換作業自体はカプラー差し替え型なら複雑ではありませんが、取り付け位置や接続方法は製品の説明書を優先してください。
NS-1の最高速を伸ばすカスタムで何が変わる?
リミッターカット後にさらに最高速を狙うなら、スプロケット、チャンバー、ボアアップで役割が異なります。
「どのパーツで何km/h伸びる」と固定値で考えるより、ギア比を変えるのか、エンジンが高回転で出せる力を増やすのかを分けると選びやすくなります。
スプロケット交換|15Tで約88km/h、17Tで約99km/hは理論値
純正の二次減速比2.928は、フロント14T・リア41Tに相当します。
約82km/hの理論車速を基準に歯数比だけを変えると、フロント15Tなら約88km/h、17Tなら約99km/h、フロント14Tのままリア38Tなら約88km/hです。
| スプロケット | 10,000rpm時の理論車速 | 変化 |
|---|---|---|
| 14T / 41T | 約82km/h | 純正基準 |
| 15T / 41T | 約88km/h | やや高速寄り |
| 17T / 41T | 約99km/h | 大きく高速寄り |
| 14T / 38T | 約88km/h | やや高速寄り |
ただし、17Tにすれば実車が必ず99km/h出るわけではありません。
ギア比をロングにすると同じ回転数での車速は上がりますが、エンジンが6速で10,000rpmまで回し切れなければ実際の最高速は理論値に届かず、加速や登坂力も弱くなります。
チャンバー交換|100km/h超を狙うなら高回転側の出力が重要
2ストロークのNS-1では、チャンバーの特性によってパワーバンドの位置や高回転域の伸びが大きく変わります。
CDIだけで90km/h前後だった車両でも、チャンバーや吸気、燃調まで組み合わせた車両では100km/h超の例があります。
逆に、チャンバーだけ交換して燃調が合っていなければ、本来の性能が出ないだけでなくエンジンの状態を崩す原因になります。
最高速を狙う場合でも、「チャンバー=何km/hアップ」とは考えず、CDI・燃調・ギア比との組み合わせで考えるパーツです。
ボアアップ|62.9ccの現行キットはあるが最高速は固定できない
KITACOのスーパーボアアップKITには、NS-1(AC12)対応の62.9cc・商品コード210-1057900が現在も掲載されています。
KITACOも、排気量増加に合わせてビッグキャブレターまたはメインジェット等のセッティングが必要と案内しています。
63cc前後までボアアップしたNS-1では100km/h超のオーナー例があり、仕様によっては115km/h前後という例もあります。ただし、これはキット単体の最高速ではなく、吸排気・燃調・点火・ギア比まで含めた車両全体の結果です。
最高速だけを目的に排気量を増やすのではなく、トルクを増やして高いギア比を引っ張れるエンジンにするカスタムと考えた方が実態に合います。
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NS-1のボアアップと公道ルール|30km/h・免許・登録
ここまでの最高速は車両性能の目安ですが、公道で走れる速度や必要な免許は別の話です。
純正49ccのNS-1は一般道路で法定最高速度30km/h
純正49ccのNS-1は従来型の一般原動機付自転車なので、一般道路での法定最高速度は30km/hです。
リミッターをカットして車両が60km/h以上出せる状態になっても、49ccのまま公道で30km/hを超えて走ってよいことにはなりません。
最高速を試す場合は、公道ではなく走行が認められたクローズドコースなどを利用してください。
ボアアップ後は排気量変更の申告と必要免許を確認
排気量を変更した場合は、市区町村で変更申告が必要です。必要書類やナンバープレートの扱いは自治体ごとに確認してください。
市区町村での登録・標識交付は軽自動車税の課税区分に関する手続きであり、それだけで保安基準への適合や公道走行が認められるわけではありません。
現在は50cc超125cc以下でも最高出力4.0kW以下なら第一種となる新基準原付がありますが、国土交通省は最高出力の確認・表示制度まで設けています。
もともと49ccで7.2PSを発生するNS-1をボアアップしたからといって、「50cc超でも新基準原付だから原付免許で乗れる」と自己判断しないでください。
原付二種として扱う車両を公道で運転する場合、NS-1はMT車なので小型限定普通二輪免許(AT限定を除く)以上が必要です。
ボアアップ後の免許が必要になる人へ
原付免許・普通自動車免許しか持っていない場合は、車両を変更する前に必要な二輪免許を確認しておくと手戻りを防げます。
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NS-1はボアアップしても125cc以下なら高速道路を走れない
NEXCO中日本は、原付一種・二種を含む125cc以下のバイクは高速道路へ入れないと案内しています。
したがって、NS-1を62.9ccなどへボアアップしても、高速道路を走れるようになるわけではありません。
NS-1の最高速でよくある質問
NS-1はノーマルで何km/h出ますか?
フルノーマルなら約60km/h前後が目安です。
約82km/hという数字は、Honda公式諸元を使って6速10,000rpm時を計算した理論車速で、純正状態の実測最高速ではありません。
NS-1はリミッターカットだけで100km/h出ますか?
リミッターカットだけなら90km/h前後をひとつの目安にするのが現実的です。
100km/h超の例はありますが、スプロケットやチャンバーなど追加カスタムを含む車両と分けて考えた方がよいでしょう。
NS-1の前期と後期でCDIは同じですか?
同じではありません。
Hondaは1995年型で点火方式を変更しており、CF POSHでは1994年以前が230065、1995〜1998年が231064として流通しています。
フロント17TならNS-1は99km/h出ますか?
99km/hは、純正の約82km/hという理論車速を歯数比だけで換算した数字です。
エンジンが17Tのロングなギア比を6速10,000rpmまで引っ張れなければ、実際の最高速は99km/hに届きません。
NS-1の最高速は「どこまで改造しているか」で判断する
NS-1の最高速は「何km/h出るか」だけを切り取ると情報が食い違って見えますが、車両の状態を分ければ整理できます。
まずは自分のNS-1が純正なのか、CDIだけ変更されているのか、さらにスプロケットや吸排気まで手が入っているのかを確認してから、その条件に合う数字を目安にしてください。









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